「なあなあ、!ワイ、サンデーの苺味食べたい!!」

「うん、この問題集解いたらね」

「えー、ケチや!」

「はいはい、分かったら解く。あ、ここ3の代入し忘れてる」

「え、どこ?」






金ちゃんの愚痴を適当にあしらいながら、テキストを見る。
・・・いくら何でも間違いすぎ。中1レベルどうこうじゃないんじゃないのか・・・。
まず単純計算から怪しい。大丈夫なのか、この子。将来が心配になるよ、お母さん。


「ここをこうやってー」と簡単に説明すれば、目を輝かせる金ちゃん。
そんな様子に苦笑し、ちゅうと手元にあったジュースを吸う。・・・やっぱオレンジジュースだよね。






先輩、ここ分からないんすけど」

「はいはい。あー、っと。ここはねー」






次ぎに私に声をかけてきたのは、またまた後輩である光。
光にもわかんないとこあんのかー・・・なんて(軽く)失礼なことを考えながら、問題に目をやる。
・・・これって、応用問題で、しかもちょっと難しいやつだよね。
でも試験によく出るからなあ・・・ちゃんと説明しないと。


一つ一つ丁寧に説明すれば、素直に頷いている光。・・・黙っていれば、可愛いんだよこいつは。



と、説明がかなり遅れたが今、私達は某ファーストフード店で勉強会をしている。
なんでももうすぐテスト期間だし、金ちゃんの成績がいい加減やばいので催したのだ。
ちなみに、レギュラーメンバー全員参加。
小春ちゃんと銀と私は教える側に回っている。
蔵ノ介とか謙也とか千里はできないわけではない。むしろ中の上以上ではある。
それでも分からないところはあるので、学年主席の小春ちゃんや
一応、学年で10位以内には入っている私が教えているのだ。


うん、教えているんだけども。





「浪速のスピードスター、なめたらアカンで!」

「おお、流石謙也ばい。どんどんハンバーガーが消えてっとる。すごかー!」

「どや、小春!このモノマネ、最高やろ!」

「流石やわ、ユウくん!流石よ!」

「なんでテストには毒草のこと出んのや・・・おかしいやろ」






・・・隣のテーブルカオスすぎる。
謙也、なに早食い始めてるんだ。千里も見惚れてないで、注意しなさい。
ユウジ、新ネタ披露の場所じゃないんだけど。小春ちゃんも惚れてないで、注意してね、うん。
蔵ノ介に至っては、なんで毒草全書開いてるのかな?さっきまで出してた数学はどうしたの?
銀、仕事放棄しない。
さすがにこのメンバー疲れたんだろうけどね、自分の勉強に没頭してるよ。






「なー、!ここは、これ代入すればええん?」

先輩、この問題も教えてほしいっすわ」

「・・・いい子だね、二人は」

「「?」」






いつも勉強を敬遠している金ちゃんでさえ、今日はこんなにやる気に満ち溢れているというのに。
上級生どもは何をしているんだ、全く・・・。

金ちゃんは飲み込みいいし、光は理解いいし。
教える側としてはとても助かる。






「・・・今日の勉強会終わったら、二人にご褒美あげようかな」

「え、ホンマか?!」

「・・・ホンマっすか」

「ホンマホンマ。二人とも頑張ってるし、あげるよー」

「ワイ、サンデーの苺味とマックシェイクな!!」

「うんうん、なんでも奢っちゃう」

「っよっしゃ、がんばるでー!!」

「・・・じゃあ俺は、今度デートしてほしいっすわ」

「うんうん、デートでもなんでもしてあげるよ」

「・・・約束っすよ」






なんだか凄い約束をしてしまったが、まあ良いかな。
これで頑張ってくれるなら、安いものだ。

オレンジジュースを口に含んだあと、二人の勉強を見ようと意気込むと・・・
隣でガタッ、と音がした。
え、なんの音?
と見てみると、そこにはなんだか焦った顔の蔵ノ介と謙也が。






「え、いま。なんて言うた?」

「はい?」

「せやから、今。ご褒美がなんちゃらっちゅーて・・・」

「ああ、うん。二人とも頑張ってるし、ご褒美あげるよって話」

「ず・・・」

「ず?」

「「ずるいで!!!」」






声をそろえて叫ぶ二人。
ちょ、ここ公共の場所なんだけど。あ、スイマセンなんでもないですから見ないでください。
あああ他のお客さん、ガン見してるじゃないか。


と、いつのまにやら謙也が私の隣に来て。
蔵ノ介が私の目の前の椅子に腰掛けてきた。

・・・浪速のスピードスターは伊達じゃないってか。
謙也は分かるとして、なんで蔵ノ介まで異様な速さで来てるんだよ。






「金ちゃんたちばっかズルイで!」

「いや、意味わかんない」

「俺かてのご褒美欲しいわ!」

「いや、謙也たち勉強してなかったでしょーが」

「なにが悲しゅうて野郎に教わらなアカンねん!が教えてくれるんやったら、幾らでも勉強するわ!」

「はい?!」

「そういう訳や。財前、退きい」

「なに言うとるんすか。アホっすか、先輩」

ー、ここ分からんのやけどー」

「あーっ、いま俺が教えてもらっとるんやで、白石!」






・・・とりあえず、今月の私のお財布は寂しいことになりそうかな。






ご褒美をください
からのご褒美があれば、なんでもできるんやで!)










テニプリ熱が再来して、四天宝寺が好きすぎて書きました\(^o^)/
関西弁かくの楽しい・・・!楽しすぎる・・・!!
けど、似非なのは致し方ない。似非関西弁ですいません。
使いこなしたいです・・・!

お互いの呼称とか色々違ったりするかも(汗
メンバーの成績事情は想像です(´ω` )とりあえず、金ちゃんはアカンのやろーみたいな!(お前




2012.5.5