わたし河野 鶴は今年、華も恥らう高校生になりました!
孫市ねえさまの居る憧れの婆裟羅高校に無事、合格したのです☆
高校生は青春の象徴!
勉強も部活も、友情も恋もドドーンと頑張りますよー!!













「鶴、高校生活は慣れたのか?」

「はい、ねえさま!おかげさまで慣れてきました」







にぎわう食堂。今はお昼どきでして、ねえさまと一緒に昼食を摂っているのです。
いつもはお弁当派なわたしなんですが、今日は寝坊をしてしまい・・・
こうして食堂で買った「健康☆野菜たっぷり定食」を食べているのです!

目の前のねえさまは、幕の内弁当を食べていらっしゃいます。なんと、ねえさまの手作りだそうです・・・!
わたしも一刻も早く、家庭的な女性に近づきたいものです・・・!!



婆裟羅高校に入学して早2週間。
ねえさまやねえさまのお友達・知人さまの助けなどがあり、わたしは今のところ不自由無く学校生活を送れています。
お友達もできましたし、弓道部に入ったりなどエンジョイ☆してるのです。
勉強もそれなり・・・です。たまに、ねえさまに教えてもらったりもしてますよ。

そんな学校生活を満喫しているわたしですが、どうも一つ困ったことが。


それは、







「おお、サヤカ!今日の飯も美味そうだなァ、おい」

「・・・お前か」

「お前って何だァ、おい」

「おー、孫市ちゃん!今日の弁当も美味しそうだねえ」

「・・・か。料理好きのお前にそう言われるとは、恐縮だな」

「おい、俺のときと態度かなり違うだろ?!」







ねえさまの後ろに突如あらわれた、二人の男性。
名札に青色で校章がついているので、ねえさまと同じ3年生。

ひとりは大柄で、銀髪に眼帯・着崩している制服にジャラジャラとついたアクセサリー。
いわずもがな、我が校きっての不良・長曾我部 元親。
家が近いので、昔馴染みさんです。

そして、もうひとり。
 さん。元親さんの大親友なのだそうです。
元親さんの隣に居ても、そう小さくは見えないくらいの身長の方。
茶色がかった黒色が素敵で、短めでふわふわしている髪。やわらかい表情。
物腰やわらかな紳士さんなのです!


ねえさまのお弁当を見て、おいしそうだと言うお二人。
・・・わたしもお弁当、持ってくればよかったです・・・。
なんでか、なんでだかは分からないのですが。







「んお、鶴ちゃんの定食もおいしそー。野菜たっぷりだね?」

「っ、は、はい!その、健康に良いので・・・」

「おお、なるほど」







ちょっとショボンとしていると、目の前にいたはずのさんが
いつのまにか私の横に・・・?!

急に話しかけられて、どもっちゃいました。すごく、声が裏返っちゃった気もします・・・!
だって、いきなり私の横で・話しかけられまして・しかも、話ながら私の横の席に座っちゃうんですよ!
顔が赤くなっちゃいます・・・!!!


ちら、とさんを見る。

さんの手には購買で買ったであろう焼きソバパンが。きっとお昼ご飯なのでしょうね・・・。
それに反して、元親さんは大量のお昼ご飯。・・・見ているこっちがお腹いっぱいになりそう。







「やっぱ女の子だねー。元親も見習えよー」

「ああ?俺は育ち盛りだから良いんだよ。それに俺の場合、全部筋肉になるかんな」

「はは、さすが脳みそも筋肉

はあ?!テメッ・・・!」







そう言ってさんを小突く元親さんと、笑っているさん。
お二人はいつもこうやって笑いあってるのです。他にもお友達がいらっしゃるお二人ですが、
やっぱりこのお二人のときが凄く楽しそうなのです。

・・・さんとこうやって笑いあえる元親さんがちょっぴり羨ましい。



わたしは、さんをお慕いしてます。

出会ったのは、ほんの数日前のことなのに想いは膨らむばかり。
入学式。学校で元親さんと会ったときに、隣に居たのがさんでした。
その優しげな笑顔と、性格に私の心は射抜かれたのです!!
それはもう、まっすぐなビームの如く!

それ以降、ちょこちょこさんにはお会いして、喋ったりもするんですが・・・
どうも心臓がうるさいのです。
顔はすぐ赤くなってしまうし、動悸は鳴り止まないし、思っている事が喋れないのです。
さんと目があってしまえば、もう顔は真っ赤になっちゃいます!
恥ずかしくて恥ずかしいのに・・・すごく嬉しいのです。

なんでも見通せる姫巫女、と呼ばれる神社の巫女娘の私ですが・・・
さんの気持ちと未来はどうにも読めないのです!


これだけは、予測不可能です・・・。



隣にはさん。
それはもう、すごくすごく嬉しいことなのですが・・・すごくすごく恥ずかしい!
さんが喋るたびに、動くたびドキッとしちゃうのです。
頭が真っ白になっちゃいます・・・!







「ね、鶴ちゃん。・・・鶴ちゃん?」

「っ?!は、はい!!」

「あは、鶴ちゃんボーっとしてどうしたの?具合悪い?」

「い、いえ!!鶴は、いつでも元気ですよ!」







い、いけない・・・!わたしとしたことが、思考にふけってしまいました・・・!!
いつのまにかさんは、わたしの顔を覗きこむようにして急接近してました、はう!
絶対いまのわたし、すごく顔真っ赤です・・・!
だ、だってすごくさんのお顔が近いんです。
「そっか、なら良かった」だなんて、にっこり笑って言うんです。反則です!!







「今度の日曜、遊ばない?」

「ほえっ?!」







いいいい、いまのはわたしの聞き間違いでしょうか・・・?!
けど、どうやら聞き間違いでも幻聴でもないらしいです。ねえさまと元親さんは何やら喋っています。
目の前には、変わらずにこにこしているさん。







「俺の家、小物売ってる店やってるんだけど。あ、鶴ちゃんぐらいの女の子を客層としてるんだけどね」

「そ、そうなんですか?!」

「うん、そうなの。で、鶴ちゃんに色々意見とか聞かせてもらいたいなーって」







どう?とにっこり笑うさんは、ほんとうにお素敵で。
これは夢なんじゃないでしょうか?それとも幻覚なのでしょうか。
どっちにしても、すごくすごく幸せです。

これが現実だったのなら、それはもう本当に幸せです!







「も、勿論行かせていただきますっ」

「あ、ほんと?ありがとー。じゃ、メアド交換しとこっか」







ああ、今日は本当にいいこと尽くめです。
こんなに幸せでいいんでしょうか?


貴方の一言、行動ひとつでわたしの心は射抜かれるのです!!
シュワっとわたしの心に突き刺すビームは、甘酸っぱく、わたしの心を揺らがしてたまらない!





恋 色 ラ ヴ ビ ー ム
(いつか貴方の心も、ビシッ☆と射止めてみせます!)








〜余談〜


「なあ、

「ん?」

「お前よォ、鶴の字の・・・分かってんだろ?」

「・・・可愛いよねー、鶴ちゃん」

「・・・(性悪だな、コイツ)」

























初の!男主でございました・・・!どうでしたでしょうか?
私的、書くのが楽しかったですw
若干Perfumeの「レーザービーム」意識だったんですが・・・むう。

鶴姫は健気なおなごですな。
若干、3の世界観とか人間関係とか諸々詳しくないのでなんとなく・・・書いた、んですが。
「ここちがーう!」みたいなところがあったら、お教えくださいまし(汗
修正いたしますゆえ!






2012.4.22